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『ダークソウルが完結する事によって、フロムソフトウェアの宮崎氏は幸せなシリーズだったと振り返る記事』が掲載中。

ダークソウルが完結する事によって、フロムソフトウェアの宮崎氏は幸せなシリーズだったと振り返る記事が掲載中。人気になったからといって続けないところがクリエイターらしさを感じますね。









――DLC第2弾『DARK SOULS III THE RINGED CITY(ダークソウルIII ザ リングド シティ)』(以下、『リングド シティ』)が配信されましたが、それと同時に『DARK SOULS(ダークソウル)』(以下、『ダークソウル』)もこれで完結ということになりますね。

宮崎英高氏(以下、宮崎) そうですね。当初からお話ししていたとおり、少なくとも現状はこれ以降の展開は予定していません。『ダークソウル』シリーズは大きな区切りとなります。

――『リングド シティ』をプレイさせていただいて、第1弾となる『ASHES OF ARIANDEL(アッシュズ オブ アリアンデル)』(以下、『アリアンデル』)との物語のつながりに驚いたファンも多いと思います。

宮崎 それは、今回のふたつのDLCが、最初はひとつの大きなDLCとして計画されていたことが大きいと思います。初代『ダークソウル』や、『Bloodborne(ブラッドボーン)』と同じような形ですね。

――『アリアンデル』のボリュームに対しては、とくに『Bloodborne(ブラッドボーン)』のDLCをプレイしてから『ダークソウルIII』に入ってきたユーザーから見た場合、少なかったという意見もあったと思うのですが、この『リングド シティ』のほうはボリューム感がありますね。

宮崎 そうですね。第1弾DLCのボリュームについては、率直に反省がある部分です。我々としては、第1弾、第2弾を合わせたボリュームで考えがちで、第1弾DLCの位置付けや、実際のボリュームをうまくお伝えできなかった部分があったと思いますし、第1弾DLC単体のボリューム感というか、「1本のDLCをやった」という充足感について、配慮が足りない部分もあったかと思います。たとえばそれは、ボスや強敵の選定であるとか、新しい武器や魔法の選定であるとかですね。

――とはいえ、『アリアンデル』のボス戦もなかなかきつかったんですよね(笑)。

宮崎 フリーデも決して弱いボスではなかったと思います。彼女に関して言えば、数体いるボスの一体であればよかったのですが、第1弾DLCの一体だけの正統派ボスとしては「太さ」が不足していたと考えていますね。いずれにしても、この話は我々の率直な反省点ですし、第2弾DLCでは、可能な限りこの反省点は意識しています

――第1弾DLCのメインの舞台が“アリアンデル絵画世界”で、今回は、その物語が第2弾DLCで完結しました。本編にも“アノール・ロンド”が出てくるように、ここにも第1作との関連がうかがい知れますが、第1作のエリアの中から絵画世界を選んだ理由は?

宮崎 絵画世界というモチーフは、特に初代『ダークソウル』を懐古したかったということではありません。今回のDLCは、『III』本編の持つテーマ性に、また別の側面から光を当てることを意図しており、そのために最適なモチーフとして絵画世界が選択された、ということになります。

――切り離された世界という部分ですか?

宮崎 はい。それも大きい部分です。抽象的な話になってしまい申し訳ないのですが、『ダークソウル』シリーズ全体を通して、絵画世界は“火継ぎ”の外にある点で異質でして、その異質さが、『III』本編の持つテーマ性に、また別の解釈なり解決なりを提示するために有用だったのです。

――『リングド シティ』の序盤に“土の塔”が登場しますよね。『II』と直接関係するマップが出てきたこともファンとしてうれしかったですし、“砂の魔術師”が出現するところも喜ばれるのではないでしょうか?

宮崎 DLC第2弾の最初のマップである“吹き溜まり”については、過去さまざまな時代、さまざまな場所の残骸が、まさに吹き溜まっている場所です。これはもともと、建物を大きく傾けたり、重ねたりといったように、建物の構造をふつうではあり得ない形で使用し、組み合わせることで、おもしろいマップ構造を作るための設定ですが、せっかくですし、『ダークソウル』シリーズの積み重ねもそこで表現しようと思ったのです。吹き溜まりが『III』のロスリックの残骸から始まり、『II』の土の塔の残骸を抜けるという流れは、そうした意図によるものですね。

――数ある『II』のエリアの中から、土の塔をチョイスした理由は?

宮崎 『II』のエリア選定は、谷村(唯氏。『II』のディレクター)に相談して決めました。『II』のユーザーさんに印象的な場所としてシルエットが記憶されていて、吹き溜まりのマップ設計意図にも沿うもの、ということですね。そして、先ほどちらりと話に出た砂の魔術師については、土の塔を使用すると決まった後に、あるスタッフから要望のあったものです。「土の塔が出るのなら、あの装備がないとユーザーさんは納得しない」ということで、なるほど、それはそうかもしれないな、と考えて採用しました。土の塔の残骸に砂の魔術師が生き残っている、ということもしっくりきましたし、そこから、小さな物語の膨らみを感じることもできましたので。

――いや、その判断はすばらしいです!

宮崎 ありがとうございます(笑)。そういった話もあり、今回のDLC第2弾については、じつは女性装備に力を入れています。「雷の弓」など女性的な魔法もありますので、特に女性キャラクターを使っている方には、楽しんでもらえればうれしいですね。あるいは、女性キャラクターを作るきっかけになればと。

――扉のアーチの崩れかたが同じだったので、もしかしたら第1作目の拠点であった火継ぎの祭祀場も……。

宮崎 はい。じつはそうなんです。最終的にマップがかなり暗くなってしまい、また、ボスが激しく暴れていろいろと壊し、マップも燃えるのでとてもわかりにくいのですが、吹き溜まりのボス部屋は、初代の祭祀場の残骸なんです。つまり吹き溜まりは、『III』のロスリックの残骸から始まり、『II』の土の塔の残骸を抜け、初代の祭祀場の残骸に至るマップ、ということになりますね。わかりにくくて申し訳ない(笑)。

――DLCを含めて、全体的に見ると、第1作から『III』、そしてDLCと、世界観が過去、現在、未来と、輪になっているような印象も受けますね。

宮崎 そうですね。『ダークソウル』シリーズ全体を通して、“火継ぎ”というキーワードがありますが、そこには、火継ぎが始まり、歪み、そして終わる、という流れがあると思います。そうした「世界を継いでいく」というテーマについて、また別の解釈を見出そうとしたのが、今回のDLCであるかもしれません。

●それでも『ダークソウル』は幸せなシリーズだったと思っています

――シリーズ第1作が2011年に発売されてから6年、ついに終わりを迎えたわけですが、宮崎さんがやりたかったことは実現できましたか?

宮崎 うーん……。すみませんが、やりたかったことがすべて実現できたとは、とても言えません。少なくとも、私がディレクションしたゲームすべてがそうであったように、『ダークソウル』シリーズの各作は、やはりそれぞれの問題、失敗を抱えていると思います。ただ、それを大前提とすれば、『ダークソウル』は幸せなシリーズだったと思っています。何より多くのユーザーさんにプレイしていただき、楽しんでいただき、評価していただき、熱心なフィードバックをいただけました。それがシリーズを育て、我々を育ててくれました。初代の、本当の最初の企画書を書き始めるころから、『III』のDLC第2弾まで制作に携わってきた者として、そのことには本当に感謝したいです。

――第1作を作ったときに、ここまでシリーズが続くと思われていましたか?

宮崎 まさか(笑)。初代の企画段階、あるいは開発中は、もろもろとてもそんな状況ではありませんでしたよ。ただ、よしんば状況があったとしても、続編を想定して何かを作るといった器用なことはできなかったと思いますが。

――難しいけれど、そこを乗り越えた先にある達成感を楽しめるプレイヤーは、増えた印象があります。遊び手の意識も確実に変わってきましたと思うのですが。

宮崎 そうですね。我々のゲームが影響を与えたかどうかはともかく、いわゆる“難しいゲーム”が増え、また評価されている印象はあります。また、ゲームプレイ配信のような新しい遊び方も登場してきて、いわゆる“難しいゲーム”が、そこで新しい楽しみ方を見出されている側面もあると思います。いずれにしても、我々はもともと、おっしゃるような“困難を克服した達成感”に価値を感じ、その価値をテーマにゲームを作ることが多いので、とてもうれしく思っていますね。あえて強気な言い方をすれば、作り甲斐のある状況だと思います。

――これでシリーズはいったんの幕を下ろすことになりますが、今後手掛けたい、開発してみたいゲームはどのような作品でしょう?

宮崎 うーん、難しい質問ですね。これからのゲームということでは、いくつかはすでに着手されていますし、何か言うとネタバレになってしまいそうです。ただ一点あるのは、我々のゲーム制作スタンスは、何も変わっていないということです。『ダークソウル』シリーズが大きな区切りを迎え、新しいゲームを作っていこうという中で、『ダークソウル』シリーズに似たものを作ろうと意識することも、あるいは逆に『ダークソウル』シリーズに似ていないものを作ろうと意識することも、するつもりはありません。我々は、『ダークソウル』シリーズに似ているかいないかには頓着せず、いま我々が作りたい、おもしろくて価値があると思うゲームを作っていくつもりです。

――では、最後に『ダークソウル』シリーズファンに向けてお願いします。

宮崎 まずは『III』の第2弾DLCを、ぜひ楽しんでいただければと思います。最後のDLCということで、いくつか新しい試みもされていますし、全体に難しめの調整になっていますが、簡単すぎるよりは『ダークソウル』らしいだろうと思います。くり返しになりますが、ぜひ楽しんでください。そして、『ダークソウル』シリーズをプレイし、楽しんでいただき、ありがとうございました。皆様の評価、熱心なフィードバックが、シリーズを鍛え、また我々を成長させてくれました。シリーズの制作者のひとりとして、本当に感謝しています。このご恩は、きっと皆さんにお返ししますので、いましばらくお待ちいただければと思います。


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